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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−4 「群編成ストレス」」

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2008年9月12日

 肥育農家に輸送されてきた、導入牛に待ち受けているのが、次に群編成ストレスです。群編成ストレスとは、1部屋に5頭など、牛を同じマスに複数入れることで生じるものです。すなわち、その群の中での優劣を決めるもので、平たく言えば、ボス決めです。このストレスにより牛の免疫もぐっと落ちると言われています。もちろん、これらのストレスは、無くすことは出来ません。でも少なくすることはできます。それは導入牛をある程度揃えるということです。大きさがバラバラの場合、やはり大きい牛が有利ですから、小さい牛ほど、順位が下になってしまいます。小さく弱い牛ほどみんなにいじめられるので、ストレスも大きくなります。またその後の発育にも大きく影響してきます。なぜなら小さい牛ほどたくさん餌を食べて、大きくなる必要があるのですが、導入前期は、ほとんどの肥育農家さんでは、肥育飼料に馴らすために、制限給餌をします。よって順位が下の牛ほど餌にありつけません。そうすると必ずといっていいほど発育不良になってしまいます。群が大きいほど、その数が増えますし、多頭農家さんほど、こういう発育不良の牛を少なくするほど、経営が良くなります。よって肥育農家さんは、導入牛の体重や月齢、体高、血統などを考慮して導入牛をある程度揃える必要があると思います。導入牛の選抜は、肥育農家さんの技術でとても重要な気がします。自分にあった素牛の導入を心がけてくださいね。
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