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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−3 「輸送ストレス2」」

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2008年9月5日

 では、次に到着後の対策としては、先ず飲み水です。何時間も水も飲まずに輸送されて来ているので水分の補給が大事です。導入直後は、牛舎の各部屋に付け備え付けのウォーターカップだけでは足りずに、混乱が起きます。農家さんによっては、導入時には、飼槽に水を溜めて迎え入れる人もいます。こんな時はやはり、フロート式の方が十分な水量が確保できて良いかもしれませんね。飲み水が十分確保できたら、次に餌(飼料)です。飼料といっても到着当初は、ルーメンのコンディションが悪い場合が多いです。特に沖縄などの遠方から導入された牛などは、ルーメンマットなどが消失してしまっており、ルーメン内に拍水音を聴取できる牛も少なくないです。よって先ずは、ルーメンの正常化には不可欠な、稲ワラや乾草などを与えます。そしてどちらも良質なものを与えて下さい。質の悪い粗飼料だと、逆にルーメンのコンディションを悪くする場合もあります。また農家さんによっては、経口のレバチオ液やポカリスウェットを経口投与する方もいます。自分なりのマニュアルを確立されれば良いと思います。今日から自分の肥育牛舎で肥育を開始する訳ですから、最善のおもてなしをしてあげましょう。
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