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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−2 「輸送ストレス」」

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2008年8月29日

 肥育の導入牛の最初のストレスといったら、やはり輸送ストレスです。どんなに近くても繁殖農家から肥育農家へと移動します。診療所管内の農家さんでは県外からの導入も多く、沖縄からの導入もあります。沖縄導入だと、最低でも丸1日以上船で揺られ、その後トラックにて導入されます。ましては夏などの場合、暑さも加わり、自分が牛の立場になって考えるとゾッとします。このストレスに関して、肥育農家さんは、牛が農場に到着するまでは待つしかないので、到着後の対策を考えます。また、自分で輸送される農家さんの場合は、運転に注意を払いながら輸送する必要があります。肥育の出荷時に明確に現れるのですが、運転技術により、屠畜後の枝肉の肉色などが異なるそうで、肥育農家さんによっては運送会社を替える人もいるくらいです。輸送というのは、トラックの上で揺られるだけでも体力を消耗します。ましてや急ブレーキや急発進を頻繁に行うと、輸送されている牛は、その度に踏ん張らなければならず、相当なストレスです。それは導入牛も同じことだと考えられます。安全運転が人にも牛にもストレスがなく、良いのではないでしょうか。またトラックも出来れば屋根付が暑さ対策には良いと思います。
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