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蓮沼浩のコラム
第398話:何が違う?

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2015年1月5日

 前回、ゼアラレノンに汚染されたワラは外見上特に普通のワラと見分けがつかないことを紹介いたしました。困ったことに、見てもわからない。しかし、圧倒的に違うことが一つあったのです。それは何か?

実は恐ろしいほどワラの採食量が落ちるのです。

え?? 何だよ、当たり前じゃないの?

 こう書いてしまえば本当に当たり前すぎて笑われそうですが、牧場のワラが全部汚染されているから他との比較が出来ず、気が付かないのです。牧場のスタッフも何だかワラの食いが悪いな~ぐらいの認識です。しかし、別のワラを持ってきて食べ比べさせてみるとその違いは一目瞭然です。汚染されたワラはほとんど口もつけません。
 ここの牧場の肥育牛は軟便が多くなっていました。はっきりとしたことは言えませんがゼアラレノンによる問題というよりも、乾物摂取量(DMI)の低下によってルーメンの状態が不安定になり軟便が多くなっているのではと思っています。ワラを変えると便はすぐによくなりました。
 ワラのゼアラレノン汚染というのは非常に珍しく、小生も1農場でしか経験したことはありません。しかし、今回の事例で本当に粗飼料の重要性を考えさせられました。牛さんが喜んで食べてくれる粗飼料をいつも準備してあげられるようにしたいですね。

 今年も1%も役に立つかわからないけど、読んで下さる方々の気持ちが明るくなうようなコラムを目指して頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします!!

第408話:何が違う?

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