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最後に、私が考える肥育の中で一番のポイントは、牛が持って生まれた能力は超えられないということです。すなわち、枝肉成績が特選の牛は、その能力を最初から持っていたのだと考えます。診療所管内の農家さんでも、上物率が高い優秀な農家さん達がいますが、皆さん素牛を選びます。もし自分の肥育技術のみで5等級が出せるのならば、だれも高い素牛を買いません。よって肥育農家さんは自分が買ってきた素牛の能力をいかに引き出せるかが、肥育技術だと考えます。自分の肥育技術によって牛の能力を超えようと、牛を追い込むことで失敗している農家さんが多いような気がします。そのひとつがビタミンコントロールだと思います。過度にビタミンを嫌い、制限しすぎて逆に牛の食いを落としてしまっている農家さんもいます。以前のコラムにも書いていますが肥育のコツは、「肥育期間を通してストレスなく、いかに餌とワラを食い込ませられるか。」だと私は思います。本当に食い込んだ牛には勝てませんし、それで3等級なら、それがその牛の能力だと考えます。 みなさんがここまで仕上げて駄目ならしょうがないと諦めがつくほど、飼い込むことができればと思います。 |