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佐々隆文のコラム
「ビタミンAの話−32 「肥育後期 6」」

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2008年5月30日

 私個人としては、肥育後期のビタミンコントロールは、ビタミンA欠乏症の牛を選抜し管理する方法よりも、ある一定の時期になったら一斉に投与するほうが良いと考えます。理由は個体別の管理では、技術も必要ですし、症状が出てしまってからでは、少し遅いような気がするからです。さらに現在の枝肉市場を見たときに、ビタミンA欠乏症によりズルなどの瑕疵を出すというリスクを背負うメリットはないと思うのです。昔の枝肉成績をみるとズルなどの瑕疵がたくさん見られました。しかし今では、診療所管内の農家さんには、病畜以外ではほとんどみられなくなってきました。これは肥育農家さんの肥育技術の進歩に伴い、肥育における正しいビタミンAコントロールが確立されて来ている証ではないでしょうか。
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