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佐々隆文のコラム
「ビタミンAの話−31 「肥育後期 5」」

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2008年5月23日

 今回は、飼料ではなく、個体別にビタミンAを投与する場合です。一番理想的なのは、ビタミンA欠乏の症状の出ている個体のみ、選抜してビタミンAを補給することだと思います。実際に、優秀な肥育農家さんでは、この方法でビタミンコントロールを行っています。しかしこの場合必要最低条件として、「牛を見ることができる」という事が重要になってきます。要するに、ビタミンA欠乏症の牛を牛群の中から発見する技術が必要となるのです。もちろん肥育農家さんは、以前のコラムで話したようなビタミンA欠乏の症状を見ながら、ビタミンA欠乏の牛を摘発するのですが、牛をよく観察しなければならず、発見が遅れれば、対処も遅れてしまうので注意が必要です。このあたりの技術が牛飼いの技術の差かもしれません。やはり牛飼いの仕事は餌をやるのではなく、「牛を見る」ことなのです。
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