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佐々隆文のコラム
「ビタミンAの話−28 「肥育後期 2」」

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2008年5月2日

 肥育後期のビタミンコントロールについての注意点を少しお話させていただきます。肥育農家さんは、なぜビタミンAを投与するとサシが消えるなどと、ビタミンAを嫌う傾向があるのでしょうか?もちろん理論上、肥育中期には血中のビタミンAを下げる必要があり、ビタミンAを避けるのは分かります。しかし多くの肥育農家さんは、肥育後期のビタミンコントロールがうまくいっておらず、サシが消えるように勘違いしている場合が多いような気がします。出荷前の牛の血中ビタミンAの濃度が高すぎると、肉のシマリが悪くなり、肉色も濃くなります。ようするに牛が枯れていない状態です。こういう枝肉は当然サシも浮いてきません。よってビタミン投与により牛が若返ってしまい、結果的にサシが消えてしまっているように感じてしまうのです。よってビタミンA自体がサシを消しているのではないので、コントロールさえ上手く行ってあげれば、ビタミンAを怖がる必要はないと考えられます。
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