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私は導入後1年以降(生後21ヶ月以降)を肥育後期とします。肥育後期では脂肪前駆細胞から脂肪細胞へと分化する時期(生後15〜23ヶ月)を過ぎて行く時期ですから、どの農家さんもビタミンAの投与について理解がある時期です。この時期もせっかく中期に脂肪細胞を分化させたのですから、分化させた脂肪細胞に脂肪を蓄えたい時期です。よって肥育後期も食欲を落とさないように気をつけなければいけません。そう考えれば、肥育牛は導入してから肥育前期では、肥育飼料に慣にならしながら、ある程度ビタミンAを蓄える意味で、前期飼料や乾草をたくさん食べて腹をつくり、肥育中期にはしっかり食い込んで、血中ビタミンA濃度をさげ脂肪細胞を分化させ、肥育後期も餌を食べ続けなければいけません。結局のところ肥育期間を通して餌を安定して食べることが重要となります。口では簡単に言えることですが、なかなか難しいことだとは分かっています。昔私が聞いた肥育の名人の「肥育のコツは、餌とワラを腹いっぱい食べさせることだよ」という言葉の意味を考えさせられます。肥育期間ずっと餌を食べ続けられる牛など、たくさんはいません。よって肥育農家さんは、どうやって食いを落とさず、牛に無理させず、肥育できるか努力しているのです。 |