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佐々隆文のコラム
「ビタミンAの話−23 「肥育中期 1」」

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2008年3月21日

 肥育前期期間の長さは農家さんにより異なりますが、一般的に導入後3〜6ヶ月間を肥育前期とし、一般的に乾草やヘイキューブなどを給与することや、肥育前期飼料としてビタミンAを配合した餌を使用することで、ある程度ビタミンAレベルを高く保持します。  
 その時期を過ぎる肥育中期になると、いよいよ餌のビタミンA量を制限して、血中のビタミンAレベルを下げるようにしていきます。これは脂肪前駆細胞をより多く分化させるためです。(詳しくはビタミンAコラム4回目を参照して下さい。)こうしてビタミンAを制限し始めて肥育中期以降になると、ビタミンA欠乏症を呈す牛さんが出現してきます。
 具体的な時期はというと、例えば肥育前期が6ヶ月間で、肥育中期よりビタミンA無添加の肥育飼料で肥育した場合、去勢ではだいたい導入後9〜10ヶ月程度、雌では11ヶ月〜12ヶ月頃からビタミンA欠乏の症状が現れ出します。もちろん個体によってはもっと早くから症状を示すものもいます。
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