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私としては、導入時のプログラムにおけるビタミンAの投与量は、去勢や雌問わずに150万〜250万IU投与すれば良いと感じています。導入期のビタミンAの投与については、血中のビタミンA濃度の低い個体のために投与するものだと考えるからです。 以前のコラムでもお話したように、通常導入期の血中ビタミンA濃度は100IU/dl前後あります。しかし実際に測定してみると100IU/dlより低い個体が結構たくさんいて、中には肥育中期並みに(40〜50IU/dl)低い個体もいます。導入時にどんなに高用量(500万IU)でビタミンAを投与しても血中のビタミンA濃度はあまり上がらない、という報告もありますが、低い個体については投与すれば血中濃度は上がります。よって導入時のビタミンAコントロールは、ビタミンAレベルを揃えるという意味で私は投与しています。 駆虫については、私は賛成派です。やはり肥育素牛は他所の生産農家さんや市場からやってくるわけですので、今まで自分の農場には無かった寄生虫(外部・内部)を持っている可能性があります。そういった場合を考慮すると、導入後の飼料効率の点から見ても、農場に来た時点で一度駆虫をしておいた方が良いような気がします。 また最近考えているのが、経口投与によるビタミンの補給です。もし抗生剤を注射しないのならば、導入時に駆虫のみ行い、その後ビタミンA入りドン八ヶ岳などを投与してビタミンAのレベルを揃えるというものです。そうすれば牛にわざわざ痛い目に合わせなくてもよいかなと思いますし、獣医さんを呼ばなくてもよいためコスト削減にもつながりますよね。 |