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佐々隆文のコラム
「ビタミンAの話−9 「ビタミンA欠乏症の摘発」」

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2007年12月7日

 肥育期間にお腹いっぱい濃厚飼料を食べて肉を付け、サシを入れている牛達の中には、ビタミンA欠乏に陥っている牛もいます。そういう牛さんは、早くビタミンAを補ってあげる必要があります。
 ビタミンA欠乏の牛を発見するのに一番確実なのは、採血をして血中ビタミンA濃度を測定するという方法です。しかしこの方法だと、診療所が依頼する検査機関で1検体約2000円の費用がかかり、また結果が出てくるのに2週間を必要とするので、当然対応が遅れてきます。したがって、実際の現場では殆どの農家さんや獣医さんは、ビタミンA欠乏の症状を見ることで、ビタミンA欠乏と判断し対応していると思います。
 ではビタミンA欠乏の症状とはどういったものか、また着目すべきポイントなどを次回から紹介していきたいと思います。ただし、それらの症状は、ビタミンAの生理的作用から証明できるものもあれば、どうしてそうなってしまうのかまだまだ解明出来ていないものもあり、経験によるところが大きいです。
 ちなみに、私が着目しているポイントの多くは農家さんより教えて貰ったものです。農家さんたちは昔からの経験によりビタミンA欠乏症の牛たちを見てきています。またそういう牛さん達を実際に測定してみると、ビタミンA濃度が低い傾向にありました。みなさんにも参考にしていただければ幸いです。
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