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さて、ようやくビタミンA本体について迫ってみます。 ビタミンA(別名:レチノール)はビタミンの中でも脂溶性ビタミンに分類される動物のみが保有するものです。(ちなみに、ビタミンには左図のように水溶性のものと脂溶性のものがあります。)植物はビタミンAではなく、その前駆物質プロビタミンA(別名:β−カロチン)を有しています。ニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれる、オレンジ色成分のあのβ−カロチンです。 牛では、水溶性ビタミンはルーメン内で作ることができますが、脂溶性ビタミンは作れないため、外部から補給する必要があります。牛が経口的に摂取したビタミンAおよびβ−カロチンは小腸において吸収されます。 しかしβ−カロチンは、小腸でそのままβ−カロチンとして吸収される一方、胆汁酸の存在下で小腸壁においてビタミンAに転化されて吸収されます。 ビタミンAの量を現す単位として、IU(国際単位)がよく使用されます。ビタミンAの1IUは0.3μgのことです。また牛に給与されたβ−カロチンの量をビタミンAに換算するときは、β−カロチン1mg=ビタミンA400IUと計算します。 肥育牛のビタミンAの血中濃度は、その農家さんの飼養管理により大きくことなりますが、導入牛においては100IU/dl前後、肥育が進むにつれて低下して行き、肥育中期には30〜50IU/dlで推移するのが理想ですが、30IU/dl以下になれば欠乏症が発症する可能性があると言われています。
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