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佐々隆文のコラム
「枝肉の話−最終話 「総括」」

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2007年9月28日

 次にサシやモモ抜けを見ます。サシもどの部位にもまんべんなく入っていたり、ロース芯には入っているけれども、他の部位が弱かったり、その逆もあります。またサシ自体も大サシ、小サシなどいろいろあり面白いです。
 次にモモ抜けですが、格付けされる枝肉の割面は、一箇所でありそこの面のサシの入り具合を見ることができますが、その他の位置にもサシが入っているという保障はありません。それを見極めるのが、モモ抜けです。モモ抜けの良い枝肉などは、モモの部分までサシが十分に入っていることが推測されるため、高値で取引されます。
 後は内面脂肪の乗り具合や骨の老化、肉色、脂肪の質および硬さなどを見ています。
 そして最後に一番重要なことが、牛を出荷する前に、生体を良く見ておくことです。私は、枝肉を見に行く時は必ず、農家さんに牛を、生体の状態で触らせてもらってから見に行くようにしています。
 肥育農家さんであれば、出荷する牛が、導入時にどのような牛で、肥育期間に病気をしたか、順調に食い込んだのか、いつ頃ビタミンを投与したかなど、様々な情報を持って枝肉を見に行けば、枝肉を見てもっと勉強になると思います。
 今回は枝肉の格付けから、枝肉の見方まで、自分なりの意見を書かせて頂きました。ご指摘を受ける点も多々あるとは思いますが、これから枝肉の勉強をされる方々および肥育農家さんの参考なれば幸いです。
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