(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
佐々隆文のコラム
「枝肉の話−10 「『肉の締りおよびきめ』 『脂肪の色沢と質』について」」

コラム一覧に戻る

2007年8月17日

 肉の締まりは、枝肉の切断面に浸出する浸出液の多少、切断面の筋肉の陥没の程度により判定されます。簡単に言えば、締りのない枝肉とは、水っぽく「だらー」としていて、割面が揃っておらず凸凹したものです。一般に締まりのない枝肉は、サシがないと言います。これは肉の締まりが脂肪交雑および保水性との関連が深いことから説明ができます。脂肪は枝肉の温度が低下するにつれ固化します。よって脂肪交雑が優れていて、脂肪の多い枝肉は必然的に締りが良くなります。一方、きめは筋束の細かさを表し、細やかなものが良質とされます。
 脂肪の色は牛脂肪色基準:BFS(beef fat standard)により判定され、光沢と質が加味され等級が決められます。
 BFSはNo.1を白色とし、淡いクリーム色、クリーム色、黄色へとNo.7まで7段階で基準が決められています。また光沢と質は肉眼で判断し、質は脂肪の粘り、柔らかさの事を指します。脂肪の色沢と質の等級区分は左図の通りで、脂肪色についてはNo.2〜4の範囲が良いとされています。
|