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佐々隆文のコラム
「プリッドの話−9 「PRIDの脱落について」」

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2007年5月11日

 前回のコラムでPRIDの使用方法についてお話させていただきましたが、私たちは使用した100例中、2例脱落がありました。この2例については、担当した獣医師が挿入する際に奥まで十分入らず違和感を覚えたとのことでした。やはり子宮頚管腟部まで確実に送り込み、ゆっくりとアプリケーターを抜くことが一番重要なようです。
 また留置期間中一番多いクレームとしては、「汚れて粘液が出ている!」など、白濁した分泌物が外陰部より排泄されることです。でもこれはPRIDのような異物を挿入することで腟粘膜が刺激を受けるため、排泄されるものだと思います(子宮内膜炎とは別です)。それでも抜去後の発情時にはほとんどの例できれいな粘液が排泄されるようになり、無事AIできました。
 しかし2例だけPRID挿入による腟炎を起こした症例がありました。この原因としてはPRIDに装着してあるエストロジェンに反応したのではないかと推測していますが、詳しくはわかりません。そのうち1症例では発情も来なく、AIできませんでした。
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