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佐々隆文のコラム
「第17回 「授精適期」」

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2007年1月8日

牛の排卵は発情終了後、約半日(10〜15時間)で起こります。
前にお話したように、精子は卵子が排卵する前に、受精部位である卵管膨大部に到達し、受精能獲得後、待機している必要があります。人工授精により子宮体に注入された精液が卵管膨大部まで到達する時間は2時間程度ですが、その後受精能を獲得するのに時間を要するので(約10時間)、人工授精の適期は発情中期以降〜発情終了後6時間以内が一番良いとされています。(ちなみに精子の生存期間は24〜48時間と言われていますが、受精能保有時間は約24時間で、また排卵卵子の受精能保有時間は精子より短く18〜20時間以内とされています。)
よってスタンディング発情のピークを発見したならば、約半日(10時間)後が人工授精の適期と言えるでしょう。
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