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受胎率に関しては、やはり母牛のコンディションが一番だと考えます。 例えば、女性マラソンランナーでは無月経になることが多いそうです。この一番の原因は選手の体脂肪の割合が低いことが挙げられます。体脂肪が低いとホルモンの原料であるコレステロールが足りないためホルモンが十分に産生出来ず、その結果ホルモンバランスが崩れて無月経になるのです。 簡単に言えばエネルギー不足です。生体の生命維持エネルギーだけでエネルギーを使い果たし、繁殖の方までエネルギーを回せないのです。 当たり前ですが、先ずは個体自身の生命維持が一番、次に生まれた子牛へのエネルギー、繁殖はその次です。 肉用牛は乳牛と異なり搾乳をしません。それでもやはり分娩前・分娩・分娩後は通常より多くのエネルギーを必要とするので、負のエネルギーバランスに陥りやすいのです。そのため各ステージに合わせた飼養管理を行うことが重要で、肉用牛の繁殖においては、母牛の飼養管理をいかにうまく行うかに尽きると思います。 よって受胎率をあげるには、母牛のコンディションが整えることが先決であり、一番重要なのです。 母牛のコンディションが良好である時に、受胎率をあげる他の要因としては人工授精のタイミングおよび人工授精の手技などが挙げられます。
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