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椎葉絢香のコラム
牛の獣医師になりたい!想いの始まり③

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2014年10月16日

 私の家は、6人家族です。父と母、祖父と祖母、2つ下の弟の6人です。
祖父は4年前に亡くなり、弟は大学院で畜産を学ぶために長野県に行っているので、実家では3人で農業や畜産を行っています。
 
 牛を飼い始めたのは祖父と祖母で、小さい時にはよく『じいちゃん!ばあちゃん!』と追いかけまわし、草切りやエサやりの邪魔をしていたようです…(*^-^*)(笑)

 物心ついた頃から、『牛の胃は4つあるんだよ~』とか『牛はお腹の下は自分で掻けないからここが気持ちいいんだよ~』など、父や祖父が教えてくれていました。

 夜中にお産がある日は家族全員で起きて見守り、難産の時は『小さな子供の力も必要だから手伝って!』と一緒に牽引させてくれました。牛が病気や事故で死んでしまった時は死んだ牛の前で、なぜ死んだのか、どんな治療をしたのか、なにがいけなかったのか、理解できるまで話してくれました。

 私の家は繁殖農家なので、お母さん牛から産まれた子牛を約10ヶ月育てた後、繁殖農家さんに売るために競り市に出します。競り市に行く前には、体を洗ってあげたり、爪や角を磨いてあげたり、頭絡を新しくしてあげます。

 椎葉は競り市場まで行くのに時間がかかるので早朝4時にエサを食べさせてトラックに乗せます。競り市当日の牛達は、なにか予感しているのかトラックに乗らなかったり、乗せた後に涙をボロボロ流して泣いています。

 泣いている牛たちを見ながら、『かわいそう、かわいそう』と泣く私と弟に、いつも父が言ってくれていた言葉があります。………つづく(*^▽^*)

牛の獣医師になりたい!想いの始まり③

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