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蓮沼浩のコラム
「第250話 「抗生物質あれこれ その3」」

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2011年10月20日

 前回薬剤感受性試験についてお話ししましたが、今回はどのようにして牛さんから現場で細菌を集めるのかを紹介しますね。
 最初に滅菌した長い綿棒を用意します。この長さはたいてい30cmでやることが多いのですが、場合によっては50cmのさらに長いものを使う場合もあります。牛さんを保定し、鼻の周りを綺麗にペーパータオルで拭います。そして鼻孔からその長い綿棒を奥に入れていきます。かなり長い綿棒を入れていくので最初はちょっとやることに抵抗があるかもしれませんが、慣れると簡単です。コツとしては少し中に入れたら手を離し、また少し入れては離していれていく感じです。うまく表現できませんが「ぱっ・ぱっ・ぱっ」という感じかな〜。牛さんが暴れてもこれなら大丈夫です。そして一本の綿棒を左右の鼻孔にいれて採材します。綿棒はそれ以上はいらない一番奥まで入れるのが基本です。そして一番奥で少しコチョコチョ動かします。最後はその綿棒を培地に埋め込んで終了です。丁寧な先生は綿棒の先を生理食塩水で洗浄して、その洗浄液を培地に分注される方もいます。大事なことはあまり牛さんを暴れさせずに一番奥までしっかりと綿棒を差し込むことです。手前のところだけを取っていると「鼻くそ調べてど〜すんだ」とO先生に怒られます(笑)。

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