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蓮沼浩のコラム
「第245話 「血便 その9」」

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2011年9月15日

 血便の治療をしていていつも思うことがあります。多くの方も感じているとは思うのですが、一度血便にかかって治った牛さんはその後血便にかかることがないということです。もちろん100%ではないですが、小生は治療をしていていつもそのような感触を持っています。残念ながら今までコクシジウムの抗体価というものを見たことがないのでなんともいえませんが、一度かかると結構長い間効果のある免疫を獲得しているのかな〜なんて思っています。しかし、時々このように思っていても血便が再発するときがあります。治療間隔が短い時は大抵しっかりと治りきっていない場合がほとんどですが、極まれに脂肪壊死症の場合もあるので注意が必要です。血便の場合、直腸検査をすると、その後に強烈な努責が起きたり、ガタガタになっている直腸粘膜を傷つけたりして血便が悪化するのであまりやりたくはないのですが、肥育牛で血便が再発した場合などは頭の片隅に入れておいてくださいね。

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