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蓮沼浩のコラム
「第239話 「血便 その3」」

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2011年8月4日

 前回病原性の強さをお話ししましたが、コクシジウムの中で病原性が強いものは2種類あります。その名も「Eimeria.zuernii」と「Eimeria.
bovis
」。おいおい何だよ、突然横文字なんて出しちゃって。おまけに少し字が傾いているじゃねーか!
 実はこの傾いた横文字がコクシジウムの正式な名前なのです。最初の方は「アイメリア・ツェルニ」、後の方は「アイメリア・ボビス」と呼んでいます。コヤツらを顕微鏡で発見するとちょっと注意しなくてはいけません。ひどい血便の場合、たくさん見つけることができます。そして見ているだけで邪悪なオーラを感じることができます。この二つは是非抑えておきたいコクシジウムですね。それに比べて病原性の低い「Eimeria.cylindrica」などは非常に穏やかな雰囲気を醸し出しています。ある獣医さんは「のんびり日向ぼっこしているみたい」と表現していましたが、小生もなんだかわかる気がします。顕微鏡で発見するとよくひとりぼっちなのですが気持ちよさそうにしています。いいな〜なんて思って、小生も一緒にゆっくりしたいな〜などと思っていました・・・・が、よく考えたら牛糞のとぎ汁のなかに浮いているのでやはり遠慮しておきます(笑)。

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