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松本大策のコラム
牛白血病とかBVD-MDとか

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2014年8月11日

 暑い日が続きますね。台風も大型のものが頻繁に襲ってきて、進路に当たった地域の方は、本当に大変なことでしょう。
 自宅でしたら、台風対策もしてあるでしょうし、丈夫な作りも多いことと思いますが、牛舎となると、そうもいきませんから、畜舎や牛さんの被害も心配です。

 そんな中、農場では別の頭のいたい問題が表面化してきています。その一つが、今日のテーマである牛白血病やBVD-MDなどの伝染病対策です。

 対策といっても、有効な治療法はありませんから、摘発淘汰と予防になります。
 確かにこれらの伝染病(特にBVD-MDのPI牛という免疫不全牛)は、感染源としても問題ですし、食肉処理も不適なので、淘汰しかないのですが、問題「淘汰が農場経営を大きく圧迫する」という点です。

 素畜費の高騰や飼料の異常な値上がりと、牛肉価格の下落でほとんどの農場が大きな負債を抱えている状況で、確かに予防衛生や農場の未来を守るため。といっても、経営的に未来が描けなくなる恐れがあります。

 国も、農場を護るための方策をたくさん作ってくれています。
 そこに、牛白血病やBVD-MDの淘汰牛(僕は牛の獣医師ですからあえて触れてませんが、豚のPEDも大変な問題です)の、淘汰時の補助成制度などを加えることは難しいのでしょうか。

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