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2014年8月19日

 暑い日が続きますね。雨も多いし、たまにはグチります!

 鉄鋼の値段が上がれば、カローラの値段は上がります。
小麦粉の値段が上がれば、讃岐うどんも値上げです。

 なのに、どうして素牛価格が10%も上がって、飼料価格が2倍近くに上がっても、牛肉の価格は下落しているのでしょうか。

 価格は、需要と供給のバランスで決まると、中学生の頃教わりましたが、もうみんな牛肉は要らないのかな?それとも、景気が悪いから、高いものは食べないのかな?

 いま高値が続いているのは、経産牛などの、いわゆる「挽き材」ぐらいです(というか、こちらは経産牛を再肥育しなくても高値がつくので、経産肥育の素牛値が高すぎて、経産肥育が成り立たない状況です)。

 自動車や衣服、バッグなどは高い物が売れ出していると聞きます。どうして身体に一番大切な物にはお金をかけないのでしょうかね。
 国民のみなさんは、国産の牛肉はもう食べられなくなってもいいのでしょうか。
だって、このままで行くと、かなりの農家さんが、突然経営破綻してしまいますよ。
 いずれの農場も、なんとか事故率を減らしたり、素牛の価格を抑えたり、えさ代を節約したり(この2つは、逆効果のことも多いのですが..)、とにかく必死でがんばっています。

 でも、素牛代と飼料代を合わせただけでも80万円から下らないような生産原価では、枝重を500kg作っても、キロ単価で1,600円平均で売らなくてはいけません。
下落した牛肉価格では、かなり困難です。それに、この生産原価には、労賃も畜舎や車の減価償却も、借りているお金の償還や利子も含まれていないのです。

 どなたか良いアイディアはありませんか。

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