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蓮沼浩のコラム
「第234話 「牛RSウイルス病 その6」」

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2011年6月30日

 今までは主に肥育牛の牛RSウイルスについて書いていましたが、もちろんこの病気は生産子牛でも問題になります。とくに子牛がたくさんいるところなどでこの病気が広がるとそれは、それは、大変です。すさまじいことになります。
 子牛は初乳を飲むことで移行抗体というものを母牛からもらいます。基本的にはこの初乳の中に牛RSウイルスの抗体が十分にあれば子牛は生後4ヶ月程度まではしっかりと病気から守られる予定です。一応小生の担当エリアではこのことから市の担当の方と一緒に肺炎五種混合生ワクチンの投与は生後4ヶ月から5ヶ月で巡回して打つようにしています。しかし、移行抗体が生後4ヶ月までもつというのはあくまでも子牛が健康に産まれて、理想的な初乳をなるべく産まれてから早い時間に充分に飲めているのかということが重要になってきます。初乳に抗体が十分にないなんて事もあります。そこで子牛にどのくらいの抗体があるのかを何軒かの農場で実際に調べてみました。するとそこには恐るべき結果が待っていました。

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