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蓮沼浩のコラム
「第233話 「牛RSウイルス病 その5」」

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2011年6月23日

 肥育農場での牛RSウイルスの予防はやはり肥育牛を導入してからのワクチン接種に尽きると思います。導入してからワクチンを打つことで全ての牛さんの抗体価を大きくあげることが出来ます。導入した牛さん達は生産牧場で一度は生ワクチンを打ってあります。そこにもう一度ワクチンを打つことで大きく抗体価が上がることを「ブースター効果」といいます。このブースター効果をうまく使えば安心です。投与するワクチンは生ワクチン、不活化ワクチンのどちらでもかまいません。一応小生は「L-K方式(エルケーホウシキ)」というものがありますので、この方法を使っています。これは生ワクチンを最初に打ち、その後ワクチンを打つ時には不活化ワクチンにすることで抗体価の上がりがさらに良くなるという判断からです。ワクチンを打つ時期ですが、農家さんによっては冬場のシーズンの前に集中してワクチンを打つ場合もあります。もちろんそのようなやり方でも良いのですが、やはり小生としては導入時にワクチンを確実に打つことで対応した方がいいのではと思っています。しばらく続けていればそのうちに牧場全体の免疫力があがり、かなり呼吸器病に対して抵抗力のある牧場になれるのではないでしょうか。

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