2014年7月28日 2つ前のコラムで、動画付きで「肺炎をあきらめる時期」という内容を書いたのですが、今回はその続編になります。 じつは1ヶ月ぶりに、同じ農場へコンサルテーションにうかがってきました。そしたらなんと! あの、肺から膿汁をゲボゲボ吐いていて、廃用(というか安楽死)を勧めた子牛が生きていたのです! もちろん、痩せていましたし、経済的な回復が望めるかというと、僕は難しいと思うのですが、生き物の「命」の力を侮ってはいけない、と強く思いました。 僕たちの治療は、牛さんの生命力や回復力によって病気が治るのを、お薬や処置で後押ししてあげる仕事だということをあらためて実感しました。 経済性を確実に把握しつつ、ただ安易にあきらめないで、治癒するかどうかは、しっかり診断しなくてはならないと、臨床獣医師として心に誓いました。 ここのところ「経済動物だから..」という言葉が、安易に「廃用」を増やしてはいけない。経済動物だから、経済性の回復も含めて全力で助ける努力を怠ってはならない、と考えているさなかでの出来事だったので、とくに何かのメッセージかと思い、報告させていただきました。 前の記事 気圧と牛さんの病気 | 次の記事 肺炎?熱射病? |