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2014年7月25日
肝蛭の虫卵が牛さんの糞便から出てくるということは、産卵できるまでに成長した肝蛭の成虫が牛さんの体内に生存していることの証明になります。肝蛭が牛さんの口に入って糞便に出てくる間の期間(プレパテント・ピリオド)は70日以上であるため、糞便に虫卵が出てきたということはもう感染してからずいぶん時間がたっているということになるのです。 吸虫の虫卵は線虫卵やコクシジウムのオーシストに比べ比重の重いものが多いため、水中に沈めて顕微鏡で観察します。その際、いかにゴミ(ウンチ)を取り除いて虫卵を発見しやすくするかが重要となります。そのために、ウンチを水で溶かして網で濾してみたり、敷き詰めたビーズの隙間に虫卵をキャッチさせたりと、あの手この手で虫卵を効率よく回収するためにいくつもの検査法があります。このことからも、肝蛭が昔から問題視されている寄生虫であることが分かりますね。