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松本大策のコラム
肺炎をあきらめる時期

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2014年7月7日

 僕のコンサルや巡回指導を受けたことのある方はご存知だと思いますが、僕はとてもあきらめが悪いです。どうにかして治そう、治らなければ症状を押さえ込んで増体を取ろう、経営的に損のないところまでは持ち直させよう、とさまざまな対策を打ちます。

 それでも、時にはスパッと「この牛さんは今日廃用にしましょう」とお勧めすることもあります。それはどういう時かと言うと、肺の状態が運動に耐えられない位ひどい、明らかにどんどん痩せて行く、努力型の呼吸をする、肺から膿汁が出る、などの場合です。

 もちろん、神様でもない限りその牛さんの将来を間違えずに言い当てることはできません。しかし、これまでの経験と、その牛さんに対する投資コスト対効果、それから同居牛への持続的な感染源になるリスクなどを考えて、一生懸命考えるのです。

 僕は「経済動物だから」と安易に諦めるのは嫌いです。それでも廃用にした方が良いという選択をするのは、とても苦しいものです。
 だからこそ、可能な限りの予防対策を練り、早期発見に務め、全力で治療するのです。

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