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蓮沼浩のコラム
「第216話 「ワクチン接種の注意点 その1」」

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2011年1月27日

 前回、BVD-MDを予防するのにはワクチンが効果的であると紹介いたしました。しかしワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンンの2種類があります。生ワクチンは一回投与で非常に高い免疫効果が得られるといいます。不活化ワクチンでは最初は2回投与する必要があります。ここだけ見ると生ワクチンの方がよさそうに見えるのですが、気を付けなくてはいけない点があります。生ワクチンは言葉のとおり、生きたウイルスを注射しますので妊娠母牛に投与すると胎児へ胎盤感染してしまい、PI牛を人為的につくってしまう危険性があるのです。ですから絶対に妊娠牛へは投与しないように注意しないといけません。そのために妊娠牛と種付け予定日の3週間以内の牛さんはワクチンを打ってはいけません。分娩直後の母牛も投与してはいけないので非常にワクチンを打つ時期が限られてしまいます。不活化ワクチンはその点、妊娠牛でも問題なく打てるので非常にたすかります。
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