(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
「第211話 「BVD-MD検査の難しさ その1」」

コラム一覧に戻る

2010年12月16日

 さて、今までBVD-MDについて簡単にお話してきました。そして、この病気で問題となるのはPI牛の存在であるということも話してきました。今、家畜保健所や様々な地域でも一生懸命にこの病気の対策をがんばっています。しかし・・・・この対策が実は結構難しいのです。乳牛の場合は絞った牛乳をバルククーラーというタンクに集めます。この牛乳からBVD-MDウイルスを検出する事ができるのです。大体500頭ぐらいの頭数であればその中にPI牛が1頭いるだけでも検出できるそうです。その牛群にBVD-MDに感染している牛が存在するかを比較的簡単に検査することができるのです。そして陽性牛がいれば、そこから全頭検査に踏み切れます。しかし、陰性の場合はちょっと厄介です。実はBVD-MDはほとんどが育成牛の段階で死亡してしまうので搾乳牛にPI牛がいない場合があります。陰性だからといってそこの農場が完全に白ですとはいえないのです。やはりバルク乳で検査をするとなれば定期的に検査を続けないといけません。ただ、まだ乳牛はバルク乳からスクリーニングするという手段があるから良いのですが、和牛など肉用牛の繁殖の場合は・・・。
|