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第40話:寄生虫の話㉙ |
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2014年6月20日
今回は第36話コラムの肝蛭の話の続きです。
中間宿主である貝の中である程度成長したセルカリアは貝から遊出して稲の茎や水草に被嚢します。被嚢する場所にはこだわりがあるようで、水深5cm以内が多いようです。10cmを超える深部に被嚢することはほとんどありません。被嚢したセルカリアはメタセルカリアと呼ばれます。(寄生虫の成長過程にはいろんなカタカナの名前がつけられて覚えにくいですが、寄生虫はいろんな形に成長して成虫になるんだなぁと、なんとなくわかってもらえれば幸いです・・)被嚢したばかりのメタセルカリアは感染力がなく、感染力を持つようになるには数時間を要します。後は牛さんが稲の茎やあぜ草とともにメタセルカリアを食べてくれるのを待ちます。
無事牛さんの体内に侵入できたメタセルカリアは2~3時間後には小腸で脱皮して腹腔内に出ます。その後肝臓表面から侵入し、肝臓の中を迷入しつつ成長します。

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