PI牛、PI牛といっていますが、このPI牛ってどうして出てくるのでしょう?ここのところをわからないといけません。ここにBVD-MDの非常に重要なポイントがあります。
あるところに一頭の妊娠している黒毛和牛がいたとします。この牛さんは妊娠80日でした。この牛さんを飼っている農家さんが市場で安かったのでガリガリの育成牛を買ってきました。実はこの育成牛はBVD-MDの持続感染牛、つまりPI牛でした。二頭を一緒に飼っていると妊娠母牛にBVD-MDが感染してしまい、胎児にもウイルスが感染しました。買ってきたガリ牛さんは、肺炎が治らず最後は天に召されました。妊娠牛は少し食欲が落ちる時期もありましたが、無事出産。生まれてきた子牛は・・・・かわいそうに虚弱子牛でした。実はこの虚弱子牛がPI牛なのです。このようにBVD-MDウイルスは妊娠している母牛に感染する事で胎児へうつり、次の世代へと受け継がれていくのです。今回は1頭の場合を説明しましたが、妊娠牛が100頭いる場合は母牛に抵抗力がなければ100頭に感染して何頭もPI牛が生まれる可能性があります。
さてここで重要なのは母牛が妊娠して何日目にウイルス感染したかで、ウイルスに感染した胎児の運命が決まるということです。次回はここを説明いたしますね。