(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
これからの国産牛の道

コラム一覧に戻る

2014年6月16日

TPPもどうなるか先が見えにくい中、なかなか景気も良くなりませんね。もう少し牛肉価格も上値が上がってくれたら良いのですが。

これからの国産牛の方策を、いつも自分なりに考えています。
いろんな団体や企業、あるいは個人の方が輸出をがんばっていらっしゃいますね。
これはすばらしいことだと思います。まだまだ日本のお肉は輸出用に需要が拡大できると思います。

ここで、自分の感じていることですが、「霜降り」は牛肉の宝物です。ここを否定しているわけではないので誤解しないで下さい。

ただ、中国を始め、いろんな国の方に最高級の霜降り肉を食べていただいた時の反応では、「もう少し赤身が多くて味がある肉がいい」という意見が多かったのです。

輸出のためには、二国間協議やら取り扱いの流通開拓やら、大切なことがたくさんあります。しかし、生産側としては、まず、海外のお客さんの「本当の好み」をリサーチすることが大切ではないかと思うのです。
ここで言うのは、ただ味の好みを聞くのではなく(これだと、顧客がそれまでの情報で知っている味しか答えられません)、試作品をいくつか持参して「好みの傾向」を調査するのです。

マイケル・ポーターというマーケティング学者が「顧客の要求を超えて過剰な差別化を図ってはならない」と言っていますが、サシに関しても、海外の顧客の要求レベルを超えては逆効果になると思うのです。ぜんざいにお砂糖は欠かせませんが、お砂糖を3倍も入れすぎると、かえって美味しくないでしょ?

これに日本独自の「味わい」(←これ、僕は第一胃発酵や飼料成分で作れると信じています。)を乗せて輸出すれば成功する可能性が大きいと思うのです。

|