2014年6月2日 みなさん、ついこの前紅白を見ていたのに、またまたジメジメの梅雨と暑い夏がやってきますね。 今回はとくにカビのお話をしようと思いますが、カビの被害は食中毒や下痢だけではないんです。繁殖牛のお母さんはカビ毒の成分(じつは発情のホルモンと同じ物質)の影響で発情が狂ってしまうことがありますし、カビ毒は肝臓を傷めるのでホルモンの材料を作ることが出来なくなったり、使用済みホルモンを分解することが出来なくなったりしてやっかいな繁殖障害に陥ることもあります。それだけでなく、流産の原因にもなるんです。 子牛や肥育牛だって、なかなか獣医さんでも原因のつかめない食欲不振の原因になることが多いですし、暑い夏場はただでさえ肝臓の機能が低下するのに、カビ毒で肝臓を傷めてしまっては、肥育牛で大切な「食欲の維持」に大きな影響がでてしまいます。 安いときにたくさん購入して飼料タンクに入れてある飼料などは注意して見て下さい。特にペレットなどはカビが生えやすいですし、トウモロコシやホミニーなどの油脂系飼料も酸化しやすいので夏場は「まとめ買いでタンクに入れておく」というやり方は、肉質や増体に不利に働くことが多いです。せめてトランスバッグに入れて、涼しくて風通しの良いところに置いておくなどの注意が必要でしょう。 この頃良くお話しすることですが、目先のお金を追うと先で失敗することが多いです。 前の記事 売る時、買う時 | 次の記事 食肉検査場で見つかる敗血症 |