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数面麻子のコラム
第30話:異常産ワクチン

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2014年4月11日

 今月10日と11日は阿久根市の異常産ワクチン巡回がありました。1日に約200頭近くの経産牛、育成牛にバシバシと注射していきます。牛さんに異常産を引き起こすウイルスといえば繁殖農家の皆様は良くご存知と思いますが、アカバネ・チュウザン・アイノウイルスの3種があります。お母さん牛は感染しても無症状であることがほとんどです。新生児の症状としてはウイルスの種類によって少し違いがあるのですが四肢関節弯曲、起立不能、大脳・小脳の形成不全(アカバネは大脳のみ欠損)などがあります。また、これらのウイルスの流行株によっては生後感染することもあるようです。どのウイルスも蚊が媒介するため、夏本番になる前に予防しておくことが大切となります。
 牛舎のお母さん牛を1頭1頭捕まえるのは大変だし、注射するときに激しく暴れる牛さんもいるし、作業は少し大変なのですがやはり大事な子牛の命には代えられませんよね。

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