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蓮沼浩のコラム
「第170話 「腰椎硬膜外麻酔で自分を見つめる その5」」

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2010年2月4日

 今回はT13−L1、L1−L2の場所を探る方法を小生なりに紹介しますね。

方法1 がんばって前から数えていく。

 この方法は非常にシンプルであります。牛さんをまっすぐ立たせて横から見ると背骨の頸の部分が終わり、胸の部分に移る辺りに出っ張っている場所があります。いわゆる「鞍下(くらした)」辺りなのですが、ここの場所を「キ甲(きこう)」といいます。この「キ甲」の下には第3胸椎の棘突起があります。つまりこの「キ甲」を見つけてそこから脊椎を尾方へひとつひとつ椎骨を数えながら下がっていけばいいのです。「え〜と、ここが第3だから、次は4だな。よし、つぎは5があったぞ。よし、つぎは・・・・・・・・・・」という感じです。

 しかしこの方法には問題点もあります。それは「キ甲」を第2、もしくは第4胸椎と間違える可能性があることと、上手に最後まで約10個の椎骨を数えることが結構大変なことがあります。少し太っていると非常に大変です。対策としては注射部位がT13−L1、L1−L2の2箇所あるので1つ後ろにずれても大丈夫です。「キ甲」で第3胸椎かどうか怪しいと感じたときは一つ後ろの胸椎から数えはじめれば問題がありませんよ。

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