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第27話:寄生虫の話㉔ |
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2014年3月15日
膵蛭には大型膵蛭と小型膵蛭がいると言われています。しかしながら、その2つの分類においてははっきりとした指標はまだ存在していません。臨床の現場においては、牛さんに寄生している膵蛭が大型であろうが小型であろうが問題に差はないと思われます・・が、小型膵蛭の方が症状が重いという説もあります。
膵蛭は肝蛭と同様、吸虫類に分類される寄生虫なので駆虫薬も肝蛭と同じプラジカンテルで効果があります。ですが、膵蛭は牛さんの糞便中に排出される虫卵の数が非常に少ない寄生虫であるため、牛さんに寄生していても見逃される可能性が高いのです。糞便検査で1個の虫卵が見つかればその牛さんにはすでに100匹もの成虫が寄生しているといわれるほどです。(ゴキブリで似たような話を聞きますね。)
膵蛭の症状は一般に軽症ですが、下痢や軟便、貧血を引き起こし、牛さんが発育不良となることもあります。牛さんを放牧させている農家さんは特に駆虫をしっかりしてあげた方が良さそうです。

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