ミリン入りのペットボトルの試みは残念ながら閑古鳥の連続という結果となってしまい、その農家さんも小生もついに諦めてしまいました。そしていつしかミリン入りのペットボトルでハエを捕まえることすら記憶の彼方に去ってしまいました。おそらく1年以上の月日がたっていたかもしれません、もうすっかり忘れ去ったときにある農家さんで治療をしているとふと目に飛び込んだのは真っ黒なペットボトル。最初は「あれ・・・・なんだろう?」と思い近くでよくみてみると・・・・・。
「う、うわ〜〜〜〜!!な、な、な、なんじゃこりゃ〜〜〜〜!」
もうそれはペットボトルを埋め尽くす異常なまでのハエの大群!今までの人生の中でここまで人口密度ならぬハエ密度の高い場所を見たことはありません。獣医さんになりたてのころ「ハエ取り紙」一面にびっしりへばりついているハエを見て感動した覚えはあるのですが今回のペットボトルはその衝撃を遥かに上回るものでした。もちろんすぐさまその農家さんに「これは一体どういうことですか!ど、ど、どうしてこのようなことがおきているのですか!」と思わず声を荒げて聞いてしまうとその農家さんはきょとんとした顔で「先生、何いっているの?松本先生のコラムで紹介していたじゃないの?」と不思議そうに答えてくれました。
またしても「な、な、な、何い〜〜〜〜〜〜〜〜!」と激しく魂を揺さぶられ動転!今までの苦労は何だったのだろうか?何故このようにすさまじいことがおきているのであろうか?何か特別な方法があるのだろうか?どのようにすればこのようにたくさんのハエが取れるのであろうか?何故?何故?何故?
俄然やる気が出てきて色々やってみました。そしてついにペットボトルを満員御礼にすることが出来たのです。正直、うれしくて涙が出ました。
次回はどのようにすればこのような荒業が出来るのか日々の往診の最中に実験を繰り返し小生なりのコツをつかんだので紹介します。全然大したことではないのですが(笑)。