(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
「第141話 「みんなが意識する」」

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2009年7月2日

 前回のコラムで耳標にマークをつけることを紹介しました。ここで少し実例を紹介しましょう。たとえば当診療所では耳標の下側の角が切られている場合は磁石と肝蛭の薬を飲ませているという合図になります。横を三角に切っている場合はルーメンファイブ投与済みの合図。たとえばこのようにルールを決めておくとどの獣医さんや農家さんがみても「あ、この牛さんは1回磁石を飲ませてあるんだ。」とか「あの牛さんは以前腹起きが悪かったのかな?」と気がつきます。さらには「あの牛さんは昔発育が悪く、毛艶もよくなかったけど今は結構よくなっているな。」などと色々と判断する情報を提供してくれます。もちろん過去のデータを記録しておき、毎回それを確認しながら牛さんを診ることが出来ればよいのですが実際はなかなか難しいのではないでしょうか。耳標につけた印の特別な意味を獣医さん、農家さんで共有しておくと、治療や牧場の見回りのときにかなり多くの情報を提供してくれると思います。
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