(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
蓮沼浩のコラム
「第132話 「牛床の敷き料交換をしないデメリット(その3)」」

コラム一覧に戻る

2009年4月30日

 前回まではいわゆる「田んぼ」のデメリットを紹介しましたが、今回からは「煎餅布団」のデメリットを紹介します。またしても文章が長くなるので2回に分けますね〜。

(1)牛床が高くなる
≪敷き料交換をまったくしないのでどんどん踏み固められた牛糞が堆積していき知らない間に牛床が非常に高くなります。当然飼槽の高さが相対的に低くなり、牛さんはかなり首を下げて餌を食べます。ある農家さんは「うちの牛はみんな前膝をついて餌を食べるから行儀がいいだろ。」と訳のわからんことを突然自慢げにいうので不覚にも大いに感心してしまいました。また、牛さんを移動するときなどに柵を開けるときガッチリと柵が堆肥で固定されており困難を極める場合があります。≫
  
(2)肥育前期では「煎餅布団」が作れない
≪肥育前期の場合は非常に牛さんの尿量が多いために煎餅状態にもっていくことが非常に難しいです。どうしても「田んぼ」になってしまいがちです。「煎餅布団」が出来るのは肥育も中期を過ぎたあたりからです。一応期間限定です。≫

(3)扇風機を設置していないと難しい
≪「煎餅布団」を作るには屋根に直下型もしくは斜めに設置した大型扇風機が必要です。この扇風機の風を当てることで牛床を乾燥させていきます。この扇風機は是非つけておきたいアイテムですね。もしも扇風機がないと1パドックに入れる牛さんの頭数を減らさないと良い状態を保つのは難しそうです。≫

|