2014年1月31日 子宮捻転に対する処置は、とにかく捻じれた子宮を元に戻す(捻転整復)ということが必要になります。整復の方法としては、用手法、母体回転法、後肢吊り上げ法、外科的整復法などがあります。 用手法は、捻転した子宮頸管を手指で掴んで徐々に戻してく方法です。ある程度整復が進めば中の胎子を掴むことも可能なので、そこからは胎子ごと子宮を回転させて整復していくことも可能です。 母体回転法は、母牛を横臥させて、捻転方向と同じ方向に母牛を回転させるという作業を何度か繰り返す方法です。一人が陰門から手を入れた状態で回転させると、捻転整復がやり易かったり、捻転が解除されていく様子が分かる場合があります。 後肢吊り上げ法は、フォークリフトやショベルなどの重機を使って母牛の後肢を吊り上げて、母牛を半宙吊りのような状態にして捻転を整復する方法です。捻じれた子宮が腹腔内で宙吊りになるので、自然と捻転が解除される場合もあれば、用手法を併用することで整復が容易になる場合もあります。 外科的整復法は、上記のどの方法を試しても奏功しなかった場合や、捻転が重度(270度以上)で一刻も早い処置が必要な場合に行われることが多いです。帝王切開の要領で開腹し、お腹の中から捻じれた子宮を戻すという方法です。 前の記事 牛の解剖140:雌性生殖器の病気(3)―子宮捻転(2)― | 次の記事 牛の解剖142:雌性生殖器の病気(3)―子宮捻転 失敗談… ― |