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蓮沼浩のコラム
「第129話 「牛床の敷き料交換をしないメリット」」

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2009年4月9日

さて、今回からは敷き料交換をしないことについてのメリットとデメリットを考えてみます。変な考えかもしれませんがその時はすっ飛ばしてください。

(1)お金がかからない。
≪そりゃそうだ(笑)。ノコクズ代が最初にかかるだけでその後は一切かかりません。機械の燃料費も要りません。経費は大幅に削減できます。≫

(2)大変な労働力と時間がいらない。
≪超大変な敷き料交換の労働と多くの労働時間から開放される。この空いた時間を牛さんの見回りや観察、通路や餌槽の掃除や餌の掃き寄せなど有効に使うことが出来ればさらにすばらしい!しかし、ここをしっかりとこなすのは非常に難しく自分が試される瞬間である。≫

(3)牛さんが滑って色々怪我をすることがほとんどなくなる。
≪敷き料交換をすることにより発生する運動器の怪我などが激減。挫傷なども減る。せっかくがんばったのに緊急出荷なんていう悲惨なことがなくなる。≫

(4)ストレスがかからない。
≪敷き料交換するときは柵を開けたり閉めたり、牛さんを色々なところへ移動したり、寝ているところを起こしたり等など色々なストレスがかかるのですがそのようなことがなくなる。≫
  
(5)堆肥の原料が出ない。
≪敷き料交換をしないので堆肥舎にどんどん堆肥が溜まることもないし、堆肥処理にかかる経費も一切いらなくなる。違法覚悟で野積みすることもない。外に出さないので一応環境にもやさしい。≫

(6)体が冷える。
≪本当かどうかはわからないのですが牛さんたちは暑い夏などには時々グジャグジャドロドロにいたりします。小生の知り合いの農家さんも「バカヤロウ!ああやって体を冷やしているんだから熱出しているような牛にとってはいいんだ!」と喝破しました。何だか妙に納得できる感じもするのですが、どうも腑に落ちない不思議な気持ちになります(笑)。

おや?意外なことにいいことばかりではないですか!よ〜し、経営改善策の1つとしてこれから敷き料交換を一切しないぞ!これで年間相当な経費と労働力を削減できそうだ・・・、と単純に考えるのはやはり少し問題がありそうです。次回からは敷き料交換をしないことの地獄を紹介しますね。

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