前回とは違い今回はきれいにすることのデメリットを小生の経験から考えてみましょう。
(1) お金がかかる。
≪そりゃそうだ(笑)。ノコクズが無料だったらいいのだが当然お金がかかります。今はなかなか手に入らないこともあります。機械を使う燃料代も結構かかります。≫
(2)大変な労働力と時間が必要。
≪敷き料交換をするとなるとそれはそれは重労働です。メチャクチャになっている牛床を換えるには非常に重い腰を上げなければなりません。気力が充実しないとなかなかとりかかれない場合も多いです。≫
(3)牛さんが滑って色々怪我をする。
≪敷き料交換を全部した後に牛さんたちはおおはしゃぎ。喜んで跳ね回ります。しかし・・・・勢いあまって転倒、股裂き。ひどい場合は開放性骨折やら起立不能になり緊急出荷なんてこともあります(涙)。≫
(4)起き上がれなくなる。
≪新しい牛床になって牛さんがぐっすり眠るのはいいのですが今までの床とは幾分按配が違うために起き上がれなくなることもあります。とにかく敷き料交換や周りの堆肥を寄せたりして牛床の状態が少しでも変化したときは要注意。必ず見回りを強化するべきです。≫
(5)熱がでる。
≪グジャグジャの状態から急に乾燥したサラサラの状態に牛床が変化すると牛舎内に舞ったノコクズが呼吸器に入る物理的原因によると思われる発熱が大発生するときがあります。いつもとは限らないのですが、敷き料の状態や交換をした時の気候なども影響しているのかもしれません。≫
(6)堆肥の原料が過剰となる。
≪とにかくどんどん溜まります。農家さんは小生に「ゼニはたまらないのにクソだけはどんどん溜まる」と言います。色々考えてしまいます・・・。畜産環境問題は今後も考えていかなくてはいけない非常に重要なテーマです。≫
さてさてどうでしょうか。思い当たるふしはありますか?小生は敷き料交換をした後の3、4、5に結構遭遇します。そして自分の経験から意外とこのような事故は多いと思っています。農家さんがせっかく良かれと思ってがんばったのに牛さんが大怪我をして緊急出荷になる場合もあります。ひどい場合には死亡してしまった事例に立ち会うと何ともいたたまれない気持ちになります。敷き料交換が終わった後はそこで安心しないでその後数日間はちょっと念入りに見回りをしてくださいね。