(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
HACCP(ハッセップ)って何?(第4回)

コラム一覧に戻る

2014年1月28日

-基本的な農場HACCPの考え方-

「このコラムを見ました。もう少し基本的なHACCPについて教えてください。」と言う質問が多くなっています。ここで基本的なHACCPのお話をさせてください。

従来までの衛生管理は、安全な牛が出荷できたかは問題がないとわからない状況でした。

HACCP(ハッセップ)って何?(第4回)_01

しかし、HACCP方式とは、肥育農場であれば肥育牛を出荷するまでの各過程(工程)で、病気を含めた危害が、どこから侵入してくるのか分析して、その1つ1つを予防する方法を決め、実践していく方式です。

HACCP(ハッセップ)って何?(第4回)_02

例えば肥育素牛は健康なのか。注射針の残留等はないのか。給水する際の水の水質は問題ないのか。給餌と際の餌の品質は大丈夫なのか。不安なら飼料会社に対して保証書を要求しようか。など全ての工程で分析を行います、また工程だけでなく日常作業や不定期作業などすべての作業でも同様に、病気侵入や最終的な商品(牛肉)に悪影響になる危害の分析を行い、その防御手段を1つ1つ考えていきます。
例えば、「肥育素牛が、導入後いつも調子が悪くなる」という問題がありました。
そこで、どの工程が問題かを考えますと、導入する牛が病気を持ってくる可能性がないかな?導入する前から牛舎が、病原菌に汚染されているのでは?素牛導入時の健康確認は十分だろうか?隔離は十分出来ているかな?と考えます。そこでその予防のため実践したことは、①導入する子牛房は、導入前に、きちんと洗浄消毒します。②消毒は石灰塗布でやる。洗浄消毒の方法は、誰でもできるように手順書を作ります。③子牛導入時に、チェックリストで健康チェックをします。 ④導入後はハッチで1頭飼い ⑤良質の敷料を使います。 ⑥踏込槽は、毎日、交換します。 ⑦観察日誌の記帳を義務付け、病気の早期発見に努めます。 ⑧異常時は獣医師への連絡体制を決め、早期治療を徹底します などを決定して、実践していきます。

HACCP(ハッセップ)って何?(第4回)_03
HACCP(ハッセップ)って何?(第4回)_04
子牛ハッチの清掃と石灰塗布の状況(北海道の農場HACCP認証農場)

執筆者:九州獣医師HACCP研究会 事務局長 川邊久浩

|