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蓮沼浩のコラム
第358話:やはり基本は食べさせること

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2013年12月19日

 小生は多くの農場の方と色々と話す機会があります。つくづく思うのは本当に牛さんの飼い方はいろいろあるということです。肥育に関してはみなさんそれぞれ哲学を持っておられ、様々な方法でそれぞれの餌を食べさせています。上手くいっているところや、あまり芳しくないところなど様々ですが、うまくいっているところに共通するのは、自分が使っている餌をどの時期に、いかにして食べさせていくかというしっかりとした基準があることです。そしてその基準をもとにして毎日の餌やりの時に本当に上手に微調整しています。特に餌の与え方については便の状態や餌の残り具合、食べるスピードなどを無意識のうちに把握して、このまま餌を追い込み過ぎると食わなくなるから少し抑えようとか、今はほんの一口でも食べさせなくてはいけないから掃き寄せをしっかりと行い、少し添加剤を振っておこうなどなど、ただ餌を入れてそれでおしまいではなく、絶えず牛さんの状態を観察して管理されています。最終的には一定期間にどれだけ食べさせることが出来るかが勝負です。多くの方と話していると、毎日ほんの一握りの餌を+αとして食べさせることができるかが大事であると力説されます。ただし・・・・・・・皮肉なことにこのような日々の取り組みが形となって表れてくるのには時間がかかるのです。1週間や2週間では形となって見えてこないのです。半年、一年と続けていくうちに牛さんが変わってくるのです。途中であきらめずに未来に向かってコツコツ、コツコツ、コツコツやっていくのです。本当に牛飼いはすごい仕事です。

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