2013年12月10日 ⑦アルカリチェッカーって知っていますか? 国内での口蹄疫の発生以降、家畜衛生飼養管理基準が大きく見直され、牛舎敷地の出入口(衛生管理区域出入口)に消石灰を散布する農場が増えてきました。農場によっては敷地内一面に消石灰を散布するなど病原体の侵入防止を徹底しているところもあります。 ただ、これには落とし穴があります。消石灰の強アルカリでウイルスや細菌を死滅させる効果は永久的ではないということです。白ければ効果が持続していると勘違いしている方がよくおられます。たとえ消石灰を散布しても、一度雨で濡れてしますと、乾いた時にはアルカリ性はかなり低下しています。白く見えても、消毒効果が消失していることが多いのです。 今回紹介したいのは、アルカリチェッカーというスプレーです。これを消石灰に吹きかけると、アルカリ性を保っている場合は消石灰の白色がピンク色に変化します。写真は、家保の地面にドロマイト石灰乳を塗ったもので、スプレーするとピンク色に変わりましたが、2週間後にスプレーをした時には、白いままでアルカリ性が消失していました。 天候にもよりますが、梅雨の時期や降雨が多い場合は、消毒効果を維持させるために細かな消石灰散布が必要となってきます。とは言いながら、なかなか出来るものでありませんので、最低でも週1回程度は散布をすることをお勧めします。 宮崎の口蹄疫以降、アジア諸国では今でも散発的に口蹄疫が発生しており、いつ日本に入ってきてもおかしくない状況にあります。自らの農場は自らが守って頂くためにも、家畜飼養衛生管理基準への協力をお願いします。 これをもちまして、コラムへの投稿を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 鳥取県西部家畜保健衛生所 衛生指導担当 |