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今回は聴診するときのもう1つのテクニックである「振とう聴診法」について説明しましょう。この方法は気体と液体の両方を含有する空洞のはね返り音を聴くために牛さんの体の一部を揺さぶりながら聴診する方法です。主に揺さぶるところは左右膁部のやや下側になります。揺さぶるときは聴診器を押し付けたままその手を強く押し当てて揺さぶるか、もしくは聴診器をあてて逆の手で握りこぶしを作り、そのこぶしで押すことにより音を聴くかのどちらかでやります。小生はどちらかといえば聴診器を押し付けた手で揺さぶることが多いですね。この聴診方法ではたいていの場合ほとんど何も聴こえません。しかし時々揺さぶると程度の差はありますが「バシャバシャ」という非常に激しい水が動く音が聴こえるときがあります。イメージとしては「膨らんだ風船の中に水が半分ぐらい入っていてそれが揺さぶられたときにする音」のような感じです。この音のことを「拍水音(はくすいおん)」もしくは「振水音(しんすいおん)」といいます。次回はこの音が肥育牛ではどのようなときに聴こえるかを紹介してみようと思います。 |