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蓮沼浩のコラム
「第97話 「肥育牛のピングテスト雑感 その3」」

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2008年8月21日

 今回で肥育牛のピング音についてのお話はおしまいです。とにかく診療中にピング音が聴き取れる場合あまり状態は良くありません。肥育牛の場合、乳牛と違い急性の症状をあらわすことはそこまで多くないのでその点はいいのですが、特に右側に聴こえるときには餌食いはいまいちの状態が続き、発育も遅れることが非常に多いです。肥育前期なら思いきって手術という手もあると思うのですが中期を過ぎてくるとなかなかそのようにもいきません。スライドには右と左にピング音が聴こえたときの肥育牛の診断名を思いつくままに載せてみました。はたして何が原因でこのピング音が聴こえているのかを決定するには他にも様々な検査が必要かと思いますし、また特に右側にピング音が聴こえたときは肥育牛の場合これといって有効な治療法も少ないのが現実です。小生も診療中にピング音が聴こえると嫌ですが、左のスライドは今まで経験した症例ですので何かの時の診断の目安になれば幸いです。なかなか分からないことも多く、どのようにして上手く診断をつけていくのかが今後の課題です。
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