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蓮沼浩のコラム
「第93話 「先生、胃は動いているかい?」」

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2008年7月17日

 肥育牛の診療をしているときに第一胃に聴診器をあてているとよく横で牛さんをなだめていてくれる農家さんからタイトルにあるように「先生、胃は動いているかい?」と質問されることがあります。もしもこのとき生産牛や肥育前期の牛さんまでならば実際に第一胃が動いている音を聴いて「う〜ん、動いてはいるけど動きは弱いですね。まだ本調子ではないかも。」などと説明することは出来るのですがこれが肥育後期の牛さんになってくると前回のお話で説明したようにはっきりと第一胃の動きを聴診することは出来ません。しかし第一胃のところに聴診器をあてていると非常によく農家さんに「先生、胃は動いているかい?」と聞かれます。正直に「胃の動いている音は聴こえませんよ。」と言えばいいのかもしれませんが変に心配させるのも嫌だし、それでは「動いています。」とはっきり聴こえていないのに言うのもいかがなものか。やはり前回の話を丁寧に説明するべきなのですがあまりにも聞かれることが多いので苦肉の策として「え〜〜、胃のほうは動☆○※%$★◎∴・・・。」と最後のほうは何だか訳がわからんしゃべり方をしています。しかし、不思議なことに農家さんも「おう、そうかそうか。」などと意外なことに会話が通じているのでしゃべった小生も驚きです(笑)。どのように農家さんが「☆○※%$★◎∴・・・」を解釈しているのか少し怖いところはありますが特に問題となることもあまりないので現在はそのまま治療に突入しています。
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